らーめん杉千代(京都河原町)

 まさかの復活、である。2009年に惜しまれつつ閉店した人気店、らーめん杉千代が河原町の地に劇的に復活した。元店主の教えを受けた方が2021年6月にリスタート。昔と変わらぬロゴ、暖簾、丼、そしてメニュー構成。そんなに足繁く通った店ではないが、懐かしさと嬉しさがこみ上げてくる。

 蔵のようなファサードの中に入ると、厨房に面した形でカウンターが並ぶ。余計なメニューは一切なく、らーめんかちゃーしゅーめんの二択というのも昔のまま。鶏ガラベースのライトな京都らしい背脂醤油ラーメンで、一味がアクセントになっているのも京都っぽい。10年以上前に食べた時の記憶は朧げながらも、なんかこんな感じだったよなぁと懐かしくも感じられるような。大きくて柔らかな存在感あるチャーシューも変わらない。

 スムーズな事業継承や味の継承は、これからの飲食店にとっては不可避の課題。しかも多くの人に愛された店や味はやはり残っていて欲しい。まさか10年以上もの時を経て復活するとは夢にも思わなかったが、閉店してしまった名店を復活させるモデルケースになるような気がした。


らーめん杉千代
京都府京都市中京区米屋町380-6

阪急線「京都河原町」駅より徒歩2分

0コメント

  • 1000 / 1000

京都拉麺通信

大好きなラーメンを通して、大好きな京都を語る。ラーメン評論家、山路力也のモノローグ。