無鉄砲 本店(木津)

 私が初めて「無鉄砲」のラーメンを食べたのはもう随分の前のことになると思う。まだあまり話題になっていない頃、確か奈良の京終に店があった時のことだから20年近くは経つだろうか。久々に本店へお邪魔したが、こちらも移転してもう15年になるのだな。店主の赤迫さんは同い歳ということもあり、勝手に同志のようにこの店を思っている。

 とはいえなかなか遠い。東京にも出店しているし、ラーメンイベントにも精力的に出店しているので、赤迫さんにも会えるし無鉄砲のラーメンも食べられることもあって本当に久しぶり。この日は仕事で和束町に滞在していたので、夕食後に車を出してもらって訪問してみた。平日の夜遅めだったがそれでも外に待ちが出ていた。相変わらずの人気だ。

 「とんこつラーメン」750円。宮崎で豚骨を学んだ赤迫さんだが、修業先などとはまったく異なるオンリーワンの豚骨を貫き続けている。豚骨をひたすら炊いて崩して骨が無くなるまで炊き上げるような超濃厚スープ。タレの味というよりも骨の味がドスンと胃袋に落ちるような。もちろんラーメンなので麺を食べているはずなのだが、麺の印象をスープが遥かに凌駕する。それでいてしつこさは一切ない。豪快ながらも細部にわたり繊細さも併せ持つ。

 他では絶対に食べられない、代替の効かない味。わざわざ木津川の山中まで足を運ぶ価値がある味。久々に来られて良かった。

 


無鉄砲本店
木津川市梅谷髯谷15-3

JR線「木津」駅より車で5分

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京都拉麺通信

大好きなラーメンを通して、大好きな京都を語る。ラーメン評論家、山路力也のモノローグ。