燻とん あくた川（京都河原町）

　2021年12月オープン。家系ラーメンの人気店『麺家 あくた川』の新業態が寺町商店街に。2020年にオープンした「あくた川流」ではガッツリ系を再構築し、2021年福岡に出店した「三刀流」では家系の新たなスタイルを提案。そして今回は「燻製豚骨」というジャンルを新たに生み出した。

　パッと見たビジュアルは家系的ながら、ラーメンの味わいはオリジナリティのあるもの。粘度の高い濃厚な豚骨醤油スープにはほのかに燻香が溶け込んでおり、合わせられているのは麺屋棣鄂の細ストレート麺。ありそうでなかった組み合わせだが、どことなくしっくり来るパッケージになっている。

　店主の芥川英司さんは大分出身で、ラーメンの世界に入った最初も大分ラーメンの専門店で、九州の豚骨ラーメンがベースにあった。その後、家系ラーメン店で修業を重ねて独立して現在に至る経緯がある。そんな彼のラーメンキャリアを反映させたかのような、九州豚骨ラーメンと横浜家系ラーメンのハイブリッド、フュージョンといったラーメンになっているのだと思う。異なる二つのラーメンを「燻製」というアイテムと、京都ラーメンらしい一味唐辛子が上手く繋いでいるような印象を受けた。

　そして従来のあくた川同様、お客様としっかりコミュニケーションを取る営業スタイルは変わらず。ちなみにこっそり入店したがスタッフにしっかり顔バレして、味玉をサービスして頂いた。京都でも悪いことは出来なそうだ…。

燻とん あくた川
京都市中京区式部町264
阪急線「京都河原町」駅より徒歩５分